始める前に BEFORE HOUSE-MAKING , BEFORE REMODEL
チェックポイント 3つの視点
ここでは、ちょっと違った視点からの、リフォーム業者選びのチェックポイントをお話ししましょう。
会社の大きさによって違いますが、営業担当者を専属で置いている会社はリフォーム会社の中では大きい部類に入ります。リフォーム業者へ連絡すると、まず、営業マンが飛んで来ることになります。基本中の基本ですが格好は重要です。営業マン研修を受けていれば、白のワイシャツに紺のスーツ、黒の革靴は定番です。但し、リフォームには建物の調査が付きものなので、スーツ姿の営業マンではない場合もあります。
そういう意味では格好だけでは判断はできませんが、重要なことは営業マンが今後どれほど良い提案をするのかを見極めることです。そのチェックポイントは次の通りです。
- 建物の図面のコピーを要求する。
- 写真をとらせてくれるようお願いする。
- 打合せした内容の復唱やメモをとる。
- 次回の打合せ日を決める。
- ヒアリングに時間をかける。
当たり前に聞こえましたか?ところが全部を行なっている営業マンは結構少ないものです。特にヒアリングに時間をかけない営業マンが多いのです。営業マンが図面やプランを書かない場合は、大抵がこのタイプになります。営業マンがプランなどの話をしない会社は小額リフォーム専門の営業マンです。要は、細かい打合せをしなくても見積りが出来るリフォームということです。
そのような会社には、プラン変更を伴う大型のリフォームはお願いしない方が無難と言えます。次回打合せのため、しつこいくらい質問してくる営業マンは優秀な人が多いと言えます。リフォームは新築よりも難しい部分が多く、技術的な知識も必要になります。事前調査をどれだけ細かくするかが成功のポイントであり、事前調査を充分に時間をかける営業マンが優秀と言えます。
現場監督が建物の打合せ時から同席していることは稀です。一般的なリフォーム業者は営業やプランナーが打合せをして、工事が着工する時に初めて現場監督が登場します。すなわち、現場監督を消費者は選ぶことができません。というと契約前に現場監督の質をチェックする機会がなさそうですが、契約前に事前にリフォーム業者の物件を見学することで現場監督の質をチェックすることができます。チェックしたところで、自分の担当になるかどうかも解りませんので、無駄とお思いでしょう。
しかし、現場や現場監督は、その会社のレベルが確実に表れますので、会社を見極めるには重要なチェックポイントです。ダメ監督と呼ばれる人と優秀監督と呼ばれる人には、ある法則が存在することが解ります。それはどのような法則でしょうか?(ちなみにダメ監督とは、会社にとってだけダメ監督ではなく、施主アンケートの評価においても、予算管理面でも“ダメ”ということです。)
簡単な例として、その現場監督は必ず車で移動しています。この車の中が汚い監督は確実に“ダメ”です。なぜかは想像できますね?
次に職人とフレンドリーな監督も微妙です。フレンドリーなことは悪いことではありません。しかし、いざと言う時に「命令や指示できる関係か」が重要です。マンション建設などの大きな現場は別ですが、リフォーム工事で毎日現場に常駐している現場監督も良いとは言えません。現場監督の管理費用を一現場で賄える予算はありません。リフォーム業者の現場監督は最低でも数件の現場を見ています。優秀な監督は職人を育て、自分の分身をつくる現場監督です。
現場監督は品質管理、工程管理、原価管理の三大管理をしています。現場で行うことは品質管理をすれば良いのです。事前に実行予算を見ていること、図面や工程が事前にどれだけ頭に中に入っているかが、優秀かどうかの境目になります。
現場監督が現場であくせく働いていると、優秀な監督のように映りますが、優秀な監督は黙って高みの見物をしているものです。建築業界は事前の段取りが全てなのです。
リフォーム現場を見学することがあれば、現場監督に質問してください。「ここはどんな形になるの?」と。すぐに図面を開いたらダメ監督とは言いませんが、少なくとも事前に図面が頭に入っていない現場監督であることは間違いありません。ちょっと厳しすぎるかもしれませんが、現場を見る機会がありましたら、チェックしてみて下さい。項目の半分以上当てはまるようであれば、考え直しも必要です。
リフォーム業者にはさまざまな経営者がいます。雇われ社長をはじめ、職人あがりの経営者など、単に経営者といっても面白いくらいに違うものです。数百件の工務店やリフォーム店を訪問するとわかるのですが、経営者の判断や考え方は社員や現場の職人に表れます。
例えば、IT化を進めていない会社は見積りも遅いし経費も高い傾向があります。現在ではパソコンが会社に一台もないことなどありませんが、経営者自らが「コンピューターはオレが出来ないから社員に任せている。」と言っている会社は、経営者が経営の実態をつかんでいないことが多いと言えます。無駄な経費がどのくらいかかっているかを理解しているとは言えません。
自分の会社は金額が高いことを自慢している経営者もいるくらいです。材料や職人の手間にお金をかけるなら一般消費者も文句はありませんが、無駄な経費に費用を費やしている経営者の会社には依頼したくないはずです。
実際に会社を潰した経営者の共通項目を書いておきましょう。
- 現在の稼働中の現場状況を全く言えない。
- 全員のデスクにパソコンがあるのに経営者の机にはパソコンがない。
- 会社の月別の売上が言えない。
などです。経営者と言えば家づくりのポリシーなどが重要に感じられると思いますが、経営者は会社の経営手腕が重要です。倒産させてしまっては立派な家づくりのポリシーも何の役にも立ちません。今まで引き渡してきた消費者にも多大な迷惑をかけることになるのです。経営状態の安定こそ目に見えない顧客満足度の向上なのではないかと思います。
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