始める前に BEFORE HOUSE-MAKING , BEFORE REMODEL

業者選び 7つのチェックポイント

 ライフスタイルの考え方もプランの考え方も人それぞれ違います。その感性がピッタリと合う業者を選べば、間違いなく失敗のないリフォームができます。では、どのようにして選べば良いのでしょうか?7つのチェックポイントを挙げてみます。

(1)事務所には必ず訪問する

 リフォームの場合、検査商法に代表される訪問販売や新聞のチラシ広告などを見て電話をかけると営業マンが飛んでくることになるのですが、一度も相手の事務所に行ったことが無く契約する消費者が、実は多いことをご存知でしょうか?

 これから数十万円〜数千万円を支払う相手の会社の事務所も知らないのです。ある程度のネームバリューに頼っていることもあると思いますが、リフォーム業者の事務所には必ず訪問するべきです。会社が小さいから問題というわけではなく、事務所や現場にはその会社の現状を把握できるものがたくさんあるからです。

 例えば、過去の実績を知ることができますし、スーツ姿の人ばかりで席が埋まっていれば、工事を下請けの工務店に出しているのでは?と考えられます。打合せスペースすらないリフォーム業者は、訪問販売に近い形で営業を展開していることも想像できます。訪問販売が悪いわけではありませんが、事務所を見ないとリフォーム業者の営業担当者の話のみを信じて契約をすることになります。

 悪い言い方をすれば、持ってくる資料自体の改ざんや内容が虚偽の場合もあるかもしれません。現在では消費者契約法もあり、無効な契約と主張することも可能ですが、ほんの少しの手間をかけ、事務所を見るだけで回避できるリスクは山のようにあります。法律で守られているからと安心せずに、必ず事務所は訪問して下さい。事務所に案内してくれないリフォーム業者は相手にしないことです。

(2)営業スタイルを判断する

 リフォーム業者にもいろんな営業スタイルがあります。「訪問販売スタイル」、「チラシ広告スタイル」、「店舗営業スタイル」などです。訪問販売スタイルは悪いイメージが先行していますが、訪問販売でも良心的なリフォーム業者はいくらでも存在します。一方、チラシ広告に大嘘を書いているリフォーム業者もいます。まず、「訪問販売は問題だ!」という固定観念は捨てるべきです。
 但し、悪徳業者の多くは訪問販売スタイルを採用しているのも事実ですので、訪問販売スタイルのリフォーム業者には、より一層チェックを厳しくする必要はあります。

 そこで、営業スタイル別対応策をお教えします。
 まず、訪問販売スタイルへの対応策は簡単で、当日に契約を絶対にしないことと事務所に訪問することです。これでほとんどのリスクを回避できます。
 しかし、そんなに簡単であれば、みなさん騙されたりしないものです。訪問販売の場合は、必ず家に上がって建物を調査して、その結果をお客様に報告してから営業トークが始まります。建物の調査はリフォーム業者が行っても正確な内容が出るかは、疑問が残ります。
 昔は確かにリフォーム業者しか検査を依頼するところが無かったのですが、今では、第三者的に検査をしてくれるところがたくさんありますので、「検査させてください。」と言うトークがあっても絶対に応じないことです。

 次にチラシ広告(新聞広告)スタイルの場合は、連絡するまでは営業マンが来ることはありません。とにかく甘い言葉が並んでいますが、材料の割引率を全面に出しているものは注意して下さい。リフォームは単純に材料の値段だけではありません。必ず材料工事込みの金額が書いてあるチラシやポリシーなどが書いてあるチラシを見るようにしましょう。

(3)必ず工事中の現場をチェックする

 工事現場はリフォーム業者の施工レベルを映す鏡です。消費者の方々は、どこをどのように見れば良いのかわからない、と思いますが、二つ以上の現場を見ればその差は歴然と表れます。
 この差は「会社の管理体制に起因するもの」と「職人に起因するもの」があります。会社の管理体制に起因するものとしては、工事看板や喫煙所、標語のポスター、スリッパの用意、ゴミの回収など、会社が主体となって行うものです。

 次に、職人に起因するものとしては、清掃状況に表れます。工事をしているので、ピカピカに綺麗にすることは不可能ですが、一日の工事終了時に清掃をしているかは、職人の質に左右されます。大工さんも清掃をしに来ているわけではありませんが、建築業界も顧客満足度の向上と言われて長い年月が経過していますので、そのような認識のない職人がいるリフォーム業者は注意が必要です。

 その他、施工後の材料の養生など、大工の技術的な部分を見なくても判断できる要因はいくらでもあります。整理整頓ができない職人で腕の良い職人は皆無です。「素人だから」とか「現場はわからない」からといって施工現場を見ないと、後で後悔することになります。必ず依頼するリフォーム業者の現場は、契約前に見てください。

(4)保証書や保証約款の有無

 リフォームは新築と違い法的な保護を受けていない部分が多いのですが、中でも保証については、義務にすらなっていません。現状では民法や自社保証に頼るしかないのです。しかし、自社保証でさえ規定していない会社も実に多いのです。保証書と保証約款、またはアフターサービスの内容が明確でない会社は要注意です。

 現在では、リフォームを行う際に上手に既存住宅保証制度を使う方法もあります。これは財団法人住宅保証機構などが行なっているサービスです。その他、中古住宅でも第三者が保証してくれるサービスも増えてきました。工事内容によってはリフォーム業者の自社保証でも良いのですが、基本は、選んだリフォーム業者がこのような団体に加盟しているかどうかも大切ですので、チェックしておきましょう。団体に加盟して対象物件登録していれば、万一リフォーム業者が倒産しても、建物の欠陥などに対して保証してくれますので、リスクを回避することができます。
 但し、あくまで任意ですので、保証料は消費者負担ですし、物件登録を申請しないとサービスは受けられません。工事内容とリスクを考えて上手に使うと良いでしょう。

(5)最新の設備や法規の提案の有無

 リフォームとはいえ、品確法やシックハウス対策に対応することは勿論、税金対策やローン控除などの知識についても適切なアドバイスをしながら進めるものですが、最新情報を提供できない勉強不足の業者もたくさんいます。現在では、消費者がインターネットという武器を持ち知識を得ていますので、プロであるリフォーム業者は、それ以上の知識を持っていなければなりません。
 しかし、これを怠っているリフォーム業者は、最終的には消費者に損をさせる結果になりかねません。例えば、補助金や助成金がでる工事について、またローンの借換え差益でリフォームを考えるなど、広範囲な知識や提案力を持ったプロのリフォーム業者を選びたいものです。

(6)支払条件

 支払条件は消費者とリフォーム業者の請負契約書の中に記載されます。しかし、著しく消費者に不利な支払条件の場合は問題です。打合せが進んで、いざ契約の段階になってから支払条件の話をするリフォーム業者も多く、問題になるケースもあります。

 支払条件はリフォーム業者に初めて会った時に最初に確認しておくことです。リフォームは、ローンを使う場合が少なく、自己資金から支出する場合が多いので、支払条件を確認することなく契約をしてしまうことがあります。しかし、例えば前金で半額をリフォーム業者に支払ったとすると、半額分の工事が完了するまでは消費者のリスクで工事をしていることになります。

 工事が始まった瞬間に倒産などしてしまったら、消費者が支払い分を取り返すのは至難の技です。そのようなことにならない為に、支払条件はあくまでも出来高払いで対応しましょう。

 これも工事金額や工事期間によってまちまちですが、百万円以下のリフォームの場合は着手時に半分で竣工後に半分ぐらいでも問題はないかもしれません。できれば三回〜四回に支払時期を分けて工事の進み具合に応じた(出来高)支払条件をリフォーム業者と相談して決めるようにしましょう。

 但し、あまりにも消費者に一方的に有利な支払条件も問題です。信頼関係で成り立って工事を請負わせているのですから、高額リフォームを全額竣工時に支払うとか、工事完了後三ヵ月後に支払うなどは、施主のマナーに反しますので注意して下さい。

(7)施工会社と現場の距離

 会社の距離が施工精度などに問題が出るわけではないのですが、アフターサービスの面や工事費の運搬費や経費などが若干高くなる可能性もあります。工務店と現場の距離は自動車で一時間程度を目安として考えましょう。

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