大地震と耐震基準 改正の歴史 EARTHQUAKE AND ANTI-EARTHQUAKE REGULATION

大地震と耐震基準の改正を年代順に並べると、大地震が発生した後に耐震基準の改正が行われているのがわかる。

濃尾地震
全壊家屋140,000棟、死者7,273人。 レンガ造りの被害が大。
1891年  
  1920年 市街地建築物法施行
日本初の建築規定。耐震規定は少なく、筋かいについては特に規定なし。
関東大震災(M7.9)
全壊家屋128,000棟、死者142,000人。 都市火災による死者が大。
1923年  
  1924年 市街地建築物法改正
大震災の教訓から、耐震規定が初めて盛り込まれた。筋かいなどの耐震規定が新設。
鳥取地震(M7.2) 1943年  
東南海地震(M7.9) 1944年  
三河地震(M6.8) 1945年  
南海地震(M8.0) 1946年  
福井地震(M7.1)
都市直下型地震。
1948年  
  1950年 建築基準法制定
市街地建築物法廃止。床面積に応じて必要な筋かいを入れる「壁量規定」が定められた。
  1959年 建築基準法の改正
防火規定の強化。 壁量規定が強化。
新潟地震(M7.5)
地盤の液状化現象。
1964年  
十勝沖地震(M7.9)
RC柱のせん断破壊。
1968年  
  1971年 建築基準法施行令改正
鉄筋コンクリート造りの柱のせん断補強規定の強化。木造住宅の基礎の布基礎化。
宮城県沖地震(M7.4)
窓ガラスの被害。
1978年  
  1981年 建築基準法施行令大改正(新耐震設計基準)
耐震設計基準が大幅に改正、現在の新耐震設計基準が設けられた。新基準の住宅は阪神・淡路大震災においても被害は少。 木造住宅においては壁量規定の見直し。
北海道南西沖地震(M7.8)
津波の被害。
1993年  
阪神・淡路大震災(M7.2)
全壊家屋106,000棟、死者6,432人。 木造住宅の被害が大。
1995年 建築基準法の改正
接合金物(土台緊結、継手・仕口の緊結)の奨励。
鳥取西部地震(M7.3)
液状化による被害。
2000年 建築基準法の改正
構造材と継手・仕口の使用を特定。 出隅などにホールダウン金物が必須。
芸予地震(M6.4) 2001年  
新潟中越地震(M6.8)
ライフライン切断による被害。
2004年 建築基準法の改正
既存不適格建物の段階的な改修を認める。