始める前に BEFORE HOUSE-MAKING , BEFORE REMODEL

情報収集 5つのポイント

 「情報収集の際のポイント」とは何なのか?五つの項目にわけて考えていきましょう。

 一つ目のポイントは、「最初は広く浅く情報をたくさん集め、たとえ興味があってもいきなり各論にのめり込まないこと」です。
 人は興味のある情報に出会うと、直ぐに突き詰めたくなるものですが、情報の一つと理解し、次の情報入手に努めて下さい。
 初期の段階で情報収集の間口を絞ってしまうと、本来知っておくべき必要な情報が入手できず、偏った情報収集になる可能性があり、その後の計画を進めるにあたり、得策ではありません。
 偏った情報だけを頼りに、計画の方向性を決めて動き出すと、後々迷路にはまり込んだり、行き詰まったりして、中には振り出しに戻るハメになり、非効率な時間を費やす事になり兼ねませんので注意が必要です。
 良くある事例としては、「機密・断熱関係の判断」で行き詰まる方が多いようです。充分気を付けてください。

 二つ目のポイントは、「時間の許す限り自分の目と耳と足で情報を集め、決して机上論だけに捕らわれないこと」です。
 インターネットを含め、書籍・雑誌だけの情報収集は、理屈・理論・知識・情報の入手方法としては、とても効率の良い手段ですが、実際に、「見て、触って、動かして」体感してみないと、ご自身が求めている機能や使い勝手などが伴っているか、判断できないというデメリットが存在します。情報だけで決めつけていると、後々後悔する事になり兼ねませんので、自分の目で確認する様にしましょう。

 三つ目のポイントは、「情報ソースを冷静に判断すること」です。情報によっては、発信する人に意図や会社の売り込み文句も織り込まれている事を理解した上で入手する必要があるという事です。
 インターネット、書籍・雑誌の発行元や著者等を良く確認してみて下さい。NPO団体等でない限り(最近はNPOも怪しいものがあります)、皆何かしらの営業・収益活動の一環(告知・集客手段)として出している情報なのです。その情報の先には形は違っていても、何か営業活動が存在するものだという事を理解しておいて下さい。

 四つ目のポイントは、「計画に対するご自身の要望・価値観と、収集した情報内容を照らして自分にとって必要な情報を正しく取捨選択していくこと」です。
 インターネット、書籍・雑誌等の発信者や著者となっている人、セミナー・イベントの主催者及び講師、どの人の意見や考え方に賛同し、どの情報を選択するかは、ご自身の要望や価値観に照らして判断し、取捨選択していかなければなりません。得てして、価値観や考え方が合致した人の意見・情報は無条件に受け入れられるものですから、より一層の注意が必要なところです。
 情報を集める個人個人全てが、建築の条件や要望・価値観が異なる訳ですから、ご自身でその人や情報をどう見極めるか、また、その情報の中から何を取捨選択するかが、その後の建築計画に非常に大きな影響を及ぼす事になるのです。ご自分に適した情報だけを集めるという事は、一番大事で、かつ一番難しいポイントと言えるでしょう。この対策は第二のポイント「自分の目と耳と足で情報の実態を確認すること」です。

 最後に、五つ目のポイントは、「集めた情報を整理する“家づくりノート”を必ず作ること」です。例えば、資金計画、構造・工法、気密・断熱、建築基礎知識、建材、業者選定、疑問点・問題点等々、自分なりに分かる様に基本的な分野分けを行い、都度情報整理をしながら、情報収集していくことをお勧めします。

 尚、このノートは、今後の計画段階から完成するまでの、全ての過程を書き記していくものです。そして、最後には家づくりの想い出ノートに変わるものです。良い想い出になるか、苦い想い出になるかは、皆さんの努力次第です。このノートの内容が充実したものであればあるほど、理想的な家づくりに近づくと言っても過言ではありません。しっかり書き留めておきましょう。

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